律動図鑑 〜 リズムペディア
リズムもひとつのハーモニーです。何故ならリズムは波動だからです。つまり周期があり位相があり共鳴があります。 ハーモニーに理論があるのに何故リズムには理論がないのでしょうか ───
リズム理論総合サイト 律動図鑑 は、リズムで最も重要な要素であるグルーヴに着目しリズム理論を体系的にまとめたリズム理論サイトです。グルーヴに課題を感じる演奏者を対象に、ジャズ・R&B・ファンクなどのアフリカ系アメリカ音楽や、クラシック音楽を演奏する上で大切なグルーヴを理解する為の理論を御紹介致します。また同時に、英語やフランス語・ドイツ語を学ぶ語学学習者が対象に含まれます。現実世界での訛りの強い英語をはっきり聴き取る為に必要な訓練とその基盤となる理論を御紹介致します。
リズムは、私たちの知覚とコミュニケーションの根幹に深く関わっています ── 音楽、言語、身体表現、文化論、音韻学、認知科学、心理学 ── しかし多くの場合、人はリズムを意識することが出来ません。そんな意識できないリズムをどうやったら定量化(意識)して、理論化(納得)して、習慣化(体得)するか。 リズムペディアは、リズムを単に無目的に理論化するのではなく、飽くまでもどうやったらグルーヴするかを主目的に据え置いて理論化しています。
このリズム理論の核心には、とてもユニークなリズム理論=縦乗りリズム理論が据え置かれています。縦乗りリズム理論は『日本人は何故全くグルーヴしないのか?』という疑問がきっかけで生まれたユニークな理論です。もともとは音楽がグルーヴする条件を言語化する作り出す目的で作られた理論でしたが、その理論は『日本人は何故英語が聴き取れないのか』という全く違う視点の疑問にも答えを与えることが明らかにしました。 縦乗り理論は、音楽のグルーヴと英語のリスニングの両方が全く共通の原因から始まっていることを明らかにしました ─── つまり、この縦乗りリズム理論を学び体得することで、音楽がグルーヴするだけでなく、英語が聴き取れるようになります。
縦乗りリズム理論が形式知化したものは、様々な応用範囲があります。この理論はグルーヴしない日本人のグルーヴを強化するだけでなく、英語苦手を克服する方法を提供し、更に世界中の全ての人々に、体力や素質によらずにグルーヴする為の方法論を提供します。更に、どうやったらグルーヴしなくなるのか ─── つまり日本語という習得が極めて難しいリズムを習得するにあたり有力な手がかりを与えてくれます。つまり逆に、外国人の直らない外国語訛りを矯正する為の方法論としても応用が効きます。
更に踏み込んで、既存のリズム理論を縦乗りリズム理論を元に再構築しています ─── それがオフビートカウント理論です。
このユニークなリズム理論をここで御紹介致します。
オフビートカウント理論
オフビートカウント理論とは、声出しオフビートカウント法という演奏技術を核としたリズム理論です。リズムによって立体的/多次元的な空間を作り出し静けさや激しさを表現する リズム=グルーヴ を演奏する為の理論です。オフビートカウント理論は主に4つの理論によって構成されます。
以下で順に見ていきましょう。
縦乗りリズム理論
縦乗りリズム理論
(最終更新日 2025/6/2) 日本語を母国語とするミュージシャンならば必ず一度は経験する謎 ─── 『何故日本人はグルーヴしないのか』この問題について考察した記事です。考察中にて、日本人がグルーヴしない理由が日本人が英語が聞き取れない理由と等しいことを明らかにします。日本語と日本の音楽に潜む『縦乗り』の正体を明らかにし、その影響と限界を科学的・文化的に考察します。
多層弱拍基軸律動 理論
多層弱拍基軸律動 理論
音楽の拍には弱拍と強拍があります。実はこの弱拍と強拍というものの認識の仕方は、母国語とする言語によって全く違うのです ─── これは音韻学の「モーラ拍リズム」「ストレス拍リズム」という発音上のリズム特性と深い関係があります。まず弱拍と強拍が生まれる理由を言語学的に解析した上で、音韻学を用いて分析した結果生まれた「基軸拍」という概念を通して、グルーヴの本質を多角的に探ります。
多層弱拍基軸律動 理論で得られるもの
ここでは次の内容を説明します。
- グルーヴとは何か
- 音楽のグルーヴと英語のリスニングの関係
- 強拍弱拍とは何か
- 母国語によって強拍弱拍の認識に違いが生じること
- 強拍弱拍には音楽・言語の両方に共通の階層があること
- 強拍弱拍の階層には 再帰性 があること
- 強拍弱拍階層の再帰性が音楽と詩吟の読み方に大きな影響を与えていること
- 強拍弱拍の多層階層の分析手法
強拍弱拍の順序に対する認識の違い
音符が現れる順序の認識は、その人が母国語とする言語によって大きな違いが生まれます。
言語の拍リズムと音韻学的分析
日本人が演奏する音楽のリズムは、海外の人が演奏する音楽と比べて何かが違います。この違いは、海外の人々が弱拍が強拍の前に来ていると認識している事に対し、日本人は強拍が弱拍の前に来ていると認識している事が原因として起こります。この認識の違いは言語自体が持っているリズム認識の違いから生まれます。このリズム認識の事を音韻学(Phonetics)で拍リズム(timed-rhythm)と呼びます。
モーラ拍リズム言語を母国語とする方々への手紙
言語リズムの違いは、モーラ拍リズム言語を母国語とする人にとってしばしば、とても厳しい直視し難い厳しい現実です。日本語のリズムは特殊 ─── 日本人にとっての海外世界の適応は、それまでの習慣を全て例外なく否定される理不尽を受け入れることから始まります。しかも、この巨大なハンデは日本語を母国語とする人だけに特有の問題でもあります。
そんな日本語を母国語とする人には、日本語を母国語とする人だけに特化した特殊な訓練が必要です。その訓練は、英語だけではなく日本語以外の全ての言語を習得する為に必要不可欠なことです。
この章は、日本語の特殊性が持つメカニズムと、日本語の特殊性を乗り越える為に必要な心構え、橋渡しする訓練を構築する理論と、その実践方法について御説明致します。
多層弱拍先行について
拍には強拍と弱拍の2種類があることを見ていきます。そして強拍は必ずしも先に現れるわけではなく、しばしば弱拍が先に演奏されることを見ていきます。次に弱拍・強拍は、4分音符だけではなく全ての音価の音符に存在することを見てみます。各音価の強拍弱拍は、結果的に弱拍に多層構造を生み出します。この弱拍の多層構造に弱拍先行が加わると、リズムが頭合わせ構造から尻合わせ構造へと移行することを見てみます。
声出しオフビートカウント法
声出しオフビートカウント法
オフビートカウントとは、音楽を聴いている時、或いは音楽を演奏している時に、同時に声を出して英語で『半拍早く』拍数をカウントするという実践方法を使うことで、音楽上のグルーヴをはっきり意識し理解を深め音楽性を向上するという実践的手法です。とても単純な実践方法ですが、たったこれだけの練習方法で飛躍的に音楽演奏能力が向上します。たったこの『半拍早く数える』という単純な行為に無限の奥行きが存在します。半拍早くカウントするというたったそれだけのことですが、習得にはしばしば長い長い年月が必要です。
これを練習方法のひとつとして取り入れて練習の効率を上げるだけでなく、実際の演奏中に行うことで音楽性や演奏の安定性高めたり、予期しない出来事によりリズムを見失った状態から復帰したりすることが可能になります。
モーラ拍リズム言語を母国語とする人は、ストレス拍リズムの言語を習得するに当たって障害となる「子音と母音を区別出来ない」「子音の長さを認識出来ない」「子音が母音に先行することを認識出来ない」という3つの盲点を持っています。 オフビートカウントは、まずこの3つの盲点を補うことを主目的として開発されました。オフビートカウントの発音練習を行うことで、英語のリスニング能力も飛躍的に向上します。また演奏時のグルーヴの原理をはっきりと意識する事が出来るようになり、演奏のグルーヴの安定性が向上します。
またモーラ拍リズム言語を母国語としない人でも、日頃ほとんど意識することのないグルーヴの原理をはっきり意識して身につける指標として世界的に活用され始めています。
弱拍は太陽そして強拍は地球〜弱拍天動説への誘い
人はかつて地球が宇宙の中心に存在すると信じていました。人間が、自分が立っている場所が動いているということを理解するまでに何百年もの時間が必要でした。これと同じことが音楽のリズムでも起こっています。 音楽のリズムでも「 弱拍の位置は動かない「強拍の位置が動いている」しかし強拍の上に立っている人は、そのことが認識できず弱拍の不可解な動きに頭を悩ませるのです。 ─── この弱拍の不可解な動きを簡単に説明するものがこの弱拍天動説です。
縦乗りの心理学
律動図鑑 は、ミュージシャン、語学学習者、教育者をはじめ、TOEIC900点を取ったけど全く英語が話せない事に悩む貴方や、英語の壁に苦しむプログラマー、英語論文の執筆に悩む研究者など、縦乗りと横乗りの架け橋になる理論ポータルサイトです。